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猛反発まくらφ ★:2010/04/20(火) 19:03:54 ID:???0
対談 岡田監督×香山リカ 無心の感覚求めて - サッカーワールドカップ
http://www.asahi.com/worldcup/column/theroad/TKY201004200196.html ※香山リカ 1960年7月、札幌市生まれ、東京医科大卒で精神科医、立教大教授。朝日新聞論壇委員。
岡田 今は普通に、ある程度の生活をして生きていける。誰かが言っていたけど、空中ブランコの1メートル下に安全ネットがある社会だと。
あれも危ない、これも危ない、安全に安全にと。ネットが1メートル下では見る方も飛ぶ方も全然おもしろくもない。死んだら困るから
ネットは必要だけど、やはり10メートルぐらい下にあったほうがいい。1メートル下にあるから生きる力が落ちてきている。
落ちたって大丈夫だと簡単に手を離してしまう。そういう現象なのかな。
香山 経済学者の浜矩子さんは、今の若者はハングリー精神がないからだめだというけど、私は人のモチベーションを高めるハングリーと
高めないハングリーがあるんじゃないかと言っている。戦後の高度成長時代では、貧しいし危険だけど頑張ればよくなるということが
あったから頑張れた。今も仕事や住むところがない若者もいるけど、昔のようなガッツを出してハングリー精神で頑張るかというと逆です。
岡田 2種類あるね、確かに。
香山 そういう意味では窮地に追い込むとかネットを10メートル下に敷けば、「よしやるぞ」となれるかというと違う。どうすれば彼らに
モチベーションを与えられるのか、教育者や心理学者が悩んでいる。スポーツ選手はあと一歩頑張れば1ランク上がれるというのが
動機になりますか。
岡田 最後に勝負がかかったときの強いこだわりとか強さは、今の選手は劣っている。持ってはいると思うけど奥の方にしまわれている。
元代表監督のトルシエは日本人は戦えないといってこづいたり、なぐったりしたけど。豊かすぎて普通にやっていれば結構なお金が稼げるし、
この程度でもJリーグでやっていけるという環境がやはり大きい。
岡田 闘争本能の話ですけど、柔道の谷亮子さんはずっと勝っていると闘争本能がなえてくるので、夜のサファリパークにいって
ライオンにバスから肉を与えるという。肉に食いついてくるのを見ていると、闘争本能がよみがえってくるというんだけど、
そういうことはあるんですか。今度、選手を連れて行こうかと思ったりして。
香山 ヤワラちゃんはライオンに同一化できる能力が高いということなんでしょう。普通の人なら怖がるだけかもしれない。
岡田 南アフリカに入ったら、やり持ってライオンを追いかけさせるか。仕留めてこいと。
香山 W杯に初めて出た時とか、まだやっていないことに臨むときはワクワクしているけど、過去に実現したことをまたやるって大変なことですよね。
岡田 日韓で共催した2002年には勝ったけど、国外のW杯では日本は1勝も上げてない。06年は2敗1分けでめちゃくちゃたたかれて、
何人かの選手はもういいと代表に拒絶反応を起こした。彼らにとって新しいことを成し遂げるという意識がある半面、強い恐怖心も持っている。
今後も彼らはサッカー界で生きていくから。選手ってぎりぎりのどちらにも転ぶような精神状態。今でも危ない部分を何となく感じる選手がいる。
安心感を与えすぎてもだめだし、不安感をずっとあおっていてもだめだし、すごく難しいところです。
(終わり)
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